最近の木造住宅では、構造材としてヒノキや杉のムク材を使用することが減ってきています。これらの優
良な木が少なくなって来ていることも事実ですが、最新の乾燥技術や成型技術によって、木の節(フシ)や弱い部分を除外した良質な木部だけを貼りあわせて作った構造材である集成材が用いられるようになってきたためです(エンジニアリングウッドなどと呼ばれています)。
日本の木は杉材が圧倒的に多いのですが、秋田杉や薩摩杉などの伝統的な古木は別
として、一般的には、杉は松などに比べて強度的に弱いものが多くて、あまり建築の構造材に向きません。柱については使われても問題は少ないのですが、梁などは強度のある輸入品の米松などを使用することが多いようです。いずれにしろ、現在では日本の建築に用いる材木の90%が輸入材で、国産の木材は仕上材や建具、家具の一部に使われたりする程度となってきています。これは日本の林業の問題なのですが、けっして木が枯渇している訳ではなく、産業構造として成り立たなくなっているためで、安く手に入るうちは輸入材が主流である時期が続くでしょう。
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